趣味
ボクの趣味は特技でもあるんだけど『ボール集め』なんだ。
今まで集めたボールは数知れず、、、とにかく大きいのから小さいのまでいろいろ集めたよ。
「ボールがそんなに転がっているの」って、そりゃ不思議だよね。
ボクがよく見付けるところは木の茂み中で人から見えない奥の方にあるんだ。
ボクってボールには特に鼻が利くみたい。
そうそう、ボールといえばこんなこともありました。
1996ねん○月×日(雨)
今日は朝からずーっと雨。それでもまい子親分はいつもの公園へ行ってくれた。
「雨で人がいないから、いいよね」と、リードを放してくれたんだ。
ボクはなんだかとっても自由な気分になっちゃって、走りまくっていると、
7〜8mある川の向こう側からボールの匂いがしてきたから、つい、川に飛び込んで
泳いで取りに行っちゃったんだ。ところが向こう岸に着いたものの、ボクの足が短いのか
どーしても登れないくて、、、まい子親分は反対側で泣きながら「アトムこっちにおいでっ!」
と何度も叫んでた。でもボクは<ボールを取ってからじゃないと戻れない>と思っていたんだ。
だって、あのまま引き返したら負け犬と同じになってしまうから。
意地でも登ろうとトライしたんだ。ところが、どっこい身体がちっとも動かない!
「いったいどーなっちゃったんだ、ボクの身体は!」と自分の身体を見て愕然としたよ。
雨の日でレインコートを着ていたことをすっかり忘れていたんだ。
すっかり水を含んで、もう重いの重くないのって、そりゃぁ大変だったよ。
10分くらい岸と戦っていたかナ、気が付くとまい子親分が回り道をしてボクの前に現れ、
木につかまりながら、やっとのことでボクを引っ張り上げてくれた。
ちょっとカッコ悪かったから、男らしいとこを見せなければ!と思い、
転がってたボールに飛びついて得意げに見せたんだ。
その時、まい子親分のびっくりしたような、嬉しいような、悲しいような、あきれたような、
言い様のない不思議な顔がボクを見下ろしていた。
これがボクのボールのコレクションだよ。
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